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Mexico.png 1994年の北米自由貿易協定(NAFTA)発効後、米国と国境を接する地理的メリットと安価な労働コストを背景に、北米向け工業製品の輸出を拡大させてきました。その結果2011年には1人当たりGDPが1万ドルを突破するなど着実な成長を遂げています。なかでも自動車や電気・電子製品を中心とする工業製品は、輸出総額の約8割を占めており、メキシコ経済の牽引役となっています。特に自動車に関しては、世界中の自動車メーカーが同国を北米向けの製造拠点と位置づけ、相次いで新規の工場建設や増設を行っています。

mexico images.png メキシコには工業製品の他にも、カリブ海沿岸の油田から採れる原油や、世界最大の産出量を誇る銀など、豊富な天然資源が存在します。特に原油は100年を超える開発の歴史を持ち、工業製品と並んで同国の主要輸出品の一つとなっています。最近の注目すべき動きとしては、2013年にメキシコ政府は石油上流分野への民間参入を認める憲法(エネルギー改革)を公布し、石油・ガス産業を活性化し、国内外から多くの投資を呼び込むべく積極的な規制緩和を進めています。

 

メキシコの主要輸出品 金額 構成比 前年比
輸出総額(FOB) 380,189 100.0% 2.6%
農産・林産品 9,862 2.6% 6.9%
畜産・水産品 1,465 0.4% -13.3%
鉱産品 54,288 14.3% -6.1%
  原油 42,804 11.3% -8.5%
工業製品・同部品 314,574 82.7% -4.2%
  自動車・同部品 97,781 25.7% 10.6%
  電気・電子機器 70,415 18.5% 2.3%
  産業用機械機器 43,079 11.3% -1.5%

単位:100万ドル、出所:中央銀行(Informe Annual 2014)、INEGI貿易統計

 かつてのメキシコは豊かな鉱物資源に恵まれ、なかでも石油は大きな外貨獲得源として重要な役割を担ってきましたが、1994年のNAFTA発効を契機に、安価で質の高い労働力を利用した米国への輸出拠点として、先進国の投資が急増しました。その結果、現在の輸出総額に占める工業製品(自動車、電子・電気機器、産業用機械機器等)の割合は約80%に達し、かつては石油依存型のモノカルチャー経済だったメキシコは、今では北米向け工業製品の輸出拠点として大きな変貌を遂げています。

 

<自動車産業>

mexico cars.png  製造業付加価値の20%以上を占めるといわれる自動車産業は、メキシコにとって最重要産業と位置づけられています。1994年のNAFTA加盟以降、米国と国境を接する地理的条件と低コストで豊富な労働力を背景に、北米向けの製造拠点として世界中の自動車メーカーが数多く進出してきました。現在は日系・欧米系の主要メーカー8社が現地工場で完成車を生産しており、輸出先の8割以上は北米となっています。また、2014年時点の自動車生産台数は336万台で、メキシコは韓国、インドに次いで世界第7位の自動車生産国となっています。世界の主要な自動車部品メーカー100社のうちの89社がメキシコに進出済です。

 

<電気・電子産業>

mexico tv.png  家電製品やエレクトロニクス製品などに代表される電気・電子産業は、メキシコにおいて自動車産業と並ぶ重要な産業の一つです。自動車と同じく古くから北米向けの製造拠点として世界中から投資を呼び込み、メキシコ経済を支え続けています。輸出仕向地も家電製品とエレクトロニクス製品共に米国が85%(金額ベース)を占めています。主要輸出品目としては、カラーテレビ、冷蔵・冷凍庫、エアコン、洗濯機、パソコンなどが挙げられ、なかでもフラットパネル型テレビは世界第一位の生産額を誇っています。

 

<航空産業>

mexico aerospace.png  航空産業はメキシコの新たな産業の柱として注目されています。2006年にボンバルディアがケレタロ州に工場を設置して以降、カナダや米国、欧米諸国から投資が相次いでいます。2005年に約60社だった航空関連の進出企業は、2014年に287社まで急増し、10年弱でおよそ5倍の企業数拡大となっています。拡大の主な背景としては、低い製造コスト、米国との間の二国間航空安全協定(BASA)、航空産業向け関税優遇制度の3つが挙げられます。メキシコの航空産業における輸出額は年々増加を続け、2013年は54億ドルにのぼり、そして2020年には122億ドルに達すると予想されています。

 

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mexicocity.png  日系企業の顧客がメキシコに進出した際に追随するというケースが多いと思いますが、重要なことは現地企業や欧米企業向けの市場と合せて、投資価値があるかどうか判断することです。単に法人設立・工場立上げを検討・準備するだけでなく、現地の見込客、提携先、競合企業とコンタクトを取り、現地の生の情報を直接入手することが肝要となります。

 

<現地パートナーのご紹介>

ana.png  メキシコにおけるにおける弊社パートナーはARNI(アシスタンシア・イ・リプレセンタシヨン・エン・インテルナシオナル)で、代表はアナ・アロヨ氏です。1990年代に在メキシコ米国大使館商務省にて米国製品のメキシコにおけるマーケティング業務に従事し、フロリダ州経済開発機構のマネージャーを経て、2000年にARNI社の前身となるコンサルティングファームを設立し、2004年にARNIを設立しました。
 ARNIは、海外企業のメキシコ進出サポートを専門とし、市場調査、代理店開拓、ビジネスマッチング、直接投資支援、翻訳、展示会出展支援等、幅広い業務をクライアントのニーズに応じて提供しています。

 

<事例紹介>
メキシコにおけるアポイント取得代行の事例はこちらを参照ください。
メキシコにおける販路開拓・展示会サポートの事例はこちらを参照ください。
メキシコにおけるフィージビリティ・スタディの事例はこちらを参照ください。

 

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